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Go To Travel が文法的にどうとか…

鳴り物入りで始まった、政府肝いりのGo To トラベルキャンペーン。Twitterを見ていると、go to travelという言い方が正しいか正しくないか、結構な人が意見を交わし合っているのを見ました。文法的に正しくないという人、割と多かったかな。 私の考えをここで言うと、文法は別に間違ってはいないと思います。確かにgo toの後は場所が来ますが、この場合は go+to不定詞 go to see the doctorgo to see a movieなどと同じ用法。なので、 go to eatも正しいです。(Go To Eatキャンペーンも存在し、こちらも正しい正しくないと議論してるのを見ました)外食するなら、outを入れてgo out to eatのほうがいいですが、例えば会社にいて、社員食堂に行って昼ごはん食べよう、と同僚に言うときなどは“Let’s go to eat.”などと言ったりします。 さて、travelに話を戻しましょう。 go to travelは文法は合ってるけど、やっぱりヘンな言い回しです。あまりこのように使われているのを聞いたことがないです。なぜかというと、“travel”はすでにある場所からある場所に移動する、“go”の意味が含まれているから。なので、 “旅行に行くために行く” みたいな重複の意味になってしまいます。 Travelは旅行だけじゃない travelは、旅行(名詞)、旅行する(動詞)という意味なのは普通に知られていますけど、単に“動き回る”、のような意味で使われることもあります。例として、こないだアメリカ人の友達とLINEでチャットしているとき、彼女が使った表現をご紹介しましょう。 彼女がもうすぐ日本を離れるとメッセージを送ってきたので、それなら会いに行くよ、と私は返信しました。割と近くに住んでいたので、週末さくっと会いに行こうと思ったのです。 ところが彼女は引っ越してしまっていたようで、そこは私の住んでいるところから車で2時間くらいかかると判明。こんな状況下、遠出はできないから会いに行けないと、私は下記のように伝えました。 I still avoid going too far so oh well. まだあまり遠くには行かないようにしてるから、まあしょうがないね。(oh wellはしょうがないね、みたいな意味) すると彼女が Yeah, it’s still best not to travel so much. そうだね、まだあまり動き回らないのが一番(移動しすぎないほうがいいね)。 と返信してきました。travel so muchってネイティブならではの表現だなぁと地味に関心しました。そこには“旅行”の意味はなく、あくまでも私の感覚の中での話ですが、この3語に“動き回る”、“長い距離移動する”、“頻繁に移動する”の全部が集約されてるんですよね。言われればそうそう!と思うのですが、自分からはこのシチュエーションでこの表現、出てきませんでした! とここまで書いて、似たようなことを解説している記事がありました↓ GoToトラベルは文法ミス?「日本語の一員といえる」 記事内の内容にひとつ反論?が。Go to〜だと命令形になり命令されているようにも聞こえてしまう、と書かれていますが、いや、それはないかな。英語の広告などのキャッチコピーは命令形多いですよ。そのほうがダイレクトに伝わるし、誰も命令されてるって思わないと思いますよ。

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空気読めないって英語ある?

日本って他人のことを思いやる、悪く言えば他人のことを気にしすぎる文化と言われています。他人のことを考えず、的外れなことをすると「あいつ、空気読めない」「KY」って言われますよね。 これって日本独特の言葉で、多くの外国では“空気読めない”っていう微妙な考え自体がないんだろうな、とずっと思ってきました。なのでそんな表現は英語でもないのだろうと。 いや、それがあったんですよね。今回の新型コロナに関連して多くその表現がTwitterで見られました。 Tone-deafが近い? tone-deaf (tone deafとも書く)は形容詞で、普通の意味だと“音痴”。たぶん、学校で使っている英和辞典だとその意味しか出てないと思います。しかし、そこから派生してほぼ“空気読めない”と同じ意味で使われています。 ちょっと前、安倍首相がリビングルームに座って星野源とYouTube勝手に共演して炎上しましたが、それを英語圏の人々はtone-deafと言って非難していました。 Abe criticized as tone deaf after lounge-at-home Twitter video Japan Times 安倍首相もクオモ知事も… そして、最近、ニューヨーク州知事であるクオモ氏も色んな人に言われてしまいました。 なんと、クオモ氏、自分で描いたポスター(!)が炎上してしまったんですね。ニューヨークでみんながこうやって新型コロナと戦ったという自画自賛っぽいポスター。19世紀ごろのポスターアート風ということですが…。 The Sea of Division. The Boyfriend Cliff. The Sun On The Other Side. See it all for yourself. Pre-order the #NewYorkTough poster here: — Andrew Cuomo (@NYGovCuomo) July 14, 2020 これについて、多くの人が「32,000人もの亡くなった人が描かれていない」「tone-deafだ」と批判していて、炎上しています。特に新型コロナで身内を亡くし人は、これはtone-deafで耐え難いというようなことを言っています。しかもこのポスターをオンラインで販売しているとなれば、それはそうなるでしょう…。 どこの国でもこの非常事態のなかで、リーダーが同じような失態ともいえることを起こしているのですね…。 関係ないですが、クオモ知事って絵がうまいんですね。驚きました。 追記:後から検索して知りましたが、クオモ知事がラフ書いて、それを職人が仕上げるみたいです。1から10までやっている暇ないですよね、そりゃ!

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欧米のアジサイは陽気

Last Updated on 09/19/20207月に入りましたが、まだまだ梅雨ですっきりしない天気が続いています。 梅雨時期の日本の風景といえばアジサイ(紫陽花)! 雨がしとしと降る霞んだ空気の中に建つお寺と境内を彩るアジサイ。 アジサイって晴れた日に見るよりも、雨模様のちょっとどんよりした空のときのほうが美しいって思いますよね。紫や水色、ピンクの花が霧に覆われることによって微妙な色合いを織りなすからかもしれません。 でも待てよ、それって世界共通の感覚なのだろうか、いやそもそもアジサイって海外ではポピュラーなんだろうか…とふと疑問に思いました。 そこで、海外でアジサイを愛でている人はいるのだろうか、とInstagramで検索してみました。 アジサイは英語でhydrangea ハイドランジア(ハイドランジャに近い)と読みます。ラにアクセント。“アジサイ”の音の雰囲気とは似ても似つかない耳触りですよね…。 #hydrangeas#hydrangea の2つのハッシュタグを追ってみたところ…。 おぉ。欧米でもアジサイはあるんですね!イングリッシュガーデン風のお庭に植わっているアジサイ、広々とした一軒家の前を彩るアジサイ、アジサイを出荷している農家の写真もありました。少しですが韓国語や中国語の写真も。 そして特に欧米の写真はほぼさわやかで明るい!真っ青な空にピンク、紫、ブルーの大きなアジサイの花々。一緒に写っている人もハッピーな感じ。日本のイメージとは全く違う! でも冷静に考えてみればそうだよな…と。欧米の多くの土地では6、7月に梅雨のような雨季がなく、それどころか6月が一番さわやかでいい季節ってところが多いですね。だからこそジューン・ブライドって習慣があるわけで…日本だったらジメジメです。 ところが違えば気候も違い、花を愛でる環境も違う。日本人が紫陽花といえば、雨に濡れたしっとり静かな場面を思い出すように、欧米の人はhydrangeaといえば、青い空の下さわやかに咲く花と思い描くのでしょうか。 そういえば、こんな話を学生のとき(すっごい昔です)に聞いたのを思い出しました。 京都のあるお寺を訪れた欧米のグループ観光客にガイドさんが「皆さんは運がいいですね。今日は雨なのでさらに美しいです」と言ったら観光客はそれをジョークだと思ってみんなゲラゲラ笑った、という。 ちなみに、アジサイは日本が原産だそうです(Wikipedia参照)。“お寺にアジサイ”はまさに日本の原風景。子どもの頃はアジサイを見ると『ああ、ついに梅雨か…』とくら〜くなってた私ですが、最近は雨の中咲くアジサイの風景が美しいと思う年になりました。