Go To トラベルキャンペーンが非難を浴びているなか、「こんなキャンペーンGo To トラブルだ!」と言っている人がたくさんいますね。日本人ならすぐに思いつく、いわゆるおやじギャグ系のダジャレです(笑)
それに関連して、Twitterでは日本人の間でトラベル(travel)とトラブル(trouble)の発音が似ているからまぎらわしい、とか、挙句の果てにはtravelとtroubleの語源は同じだった、とか、はたまたtroubleと発音が似ていて混乱を招くからネイティブスピーカーはtravelという単語を避けて別の単語(tripなど)を使う…などのツイートが飛び交っていました。
上記は全部デマです。
両者の語源は同じでもないし(調べましたし、複数の英語圏の人からも同じではないと回答もらいました)、普通にtravelという単語は使われています(よかったら前回の投稿を見てください)。
ネイティブにとってはtravelとtroubleは全く別の発音
Twitterで日本人の方が言っているのを見る限り、両者の発音の違いはみなさん“ヴェル”と“ブル”の違いだと思っている人が多い印象です。
確かに“v”と“b”の違いはあります。ただし、travelを“トラヴェル”とはあまり言いませんね(少なくともアメリカ英語では)。実際にどう言うか無理に書くと
travel→“トゥラヴォ”
また、
trouble→“トゥラボ”
“v”と“b”も判別において大事ですが…
“ラ”の音もだいじ
カタカナでは表せないですが、“r”の後の母音“ア”の音が別物です。
travelのrの後の“ア(æ)”は、“ア”と“エ”の間の音で、口を思い切り左右に引っ張って言います。若干音は長め。名古屋人の“みゃあ”の音が近いとよく言われます(笑)–––例:land, campなど
troubleのrの後の“ア(ʌ)”は、そんなに口は大きく開けず(かといって小さくもなく)、短く「ア」と言います。少し“オ”の音が入った、“ア”です。–––例:love, cupなど
ちなみに、Web上、Wikitionaryでの発音サンプルは下記のとおりで、日本人には判別難しいですが、ネイティブスピーカーには普通に違いはわかります。
travel (trˈæv(ə)l)
trouble (trˈʌbl)
今回の「Go To トラブル」というダジャレを聞いて、日本在住の英語圏の人は「おもしろい!」と意外そうにうけていました。発音やつづりが違うからそういうダジャレすら思いつかなかったんでしょうね。
「それを思いつくのはカタカナイングリッシュだからだね」
「トラベルとトラブルとカタカナで書かれるとむしろどちらかわからない」
というような英語圏の人のツイートも目にしました。
参考:発音チェックサイト